ピアノが不要になった場合に、どのようなところに注意すれば高額買取をしてもらえるのでしょうか?
ピアノを売りたい……そんな決意をしても、長年使ってきた楽器の場合は、凄く愛着があるでしょう。一大決心をするわけですから、可能な限り高額買取をお願いしたいと思っている人は少なくないと思います。まずは査定していただくことになるわけですが、ピアノの価値を高く評価してもらえる前に、どういったところに注意をしたらいいのかが、今回のテーマです。
基本中の基本は、綺麗に掃除をすること
可能な限り新品に近いコンディションにしておくこと……これが大事です。長期間、演奏してきているわけですから、経年劣化の部分はどうしようもありません。ですが、自分でできる手入れもあるのです。 掃除機などを使って埃は取りのぞくことができます。汚れが目立つ場合はピアノ専用のクリーナーがあります。綺麗にしておくと査定士の印象も違ってきます。 付属品があれば、ちゃんと揃えておきましょう。ときには査定金額に関連することもあります。例えば、購入していたときについていた椅子とか、鍵盤カバーです。補助ペダルなどもあれば、揃えておくようにしてください。
致命的なダメージがあると査定に影響すること
普通の生活をしていて付くような傷は、一般的に査定に影響することはないでしょう。しかし、外板が割れているとか、虫が食っていたり、水没・火災でダメージを受けていたりする場合は、大きく査定金額は下がります。それを気にして修理に出す人もいますが、逆に修理代金が高くついてしまうこともあります。 損傷が目立つピアノは、査定金額にどのような影響があるのかとか、修理することで査定金額が変わるのかをピアノ買取業者に聞いてみるといいでしょう。
ピアノ専門買取業者をしっかりと比較しておくこと
複数のピアノ買取業者に査定をすることは基本中の基本です。独自の買取ノウハウがあったり、販売ルートを持っていたりします。得意とするピアノのジャンルや価格帯もあるのです。ニーズによって買取金額が変わります。
査定をしてもらう前に調律をしておいたほうがいいの?
これはピアノ買取業者によって考え方が違います。一般的には査定額に影響がないことが多いです。定期的にメンテナンスをしているならば気にすることはありません。 調律をするとなると1万円から2万円はします。無駄な出費になってしまうと勿体ないですね。ピアノを移動した場合は一度調律することが普通です。しかし、調律を澄ませておくと印象が良い場合もあります。長期間、調律をしていないならば、ピアノ買取業者に聞いてみるといいでしょう。
ピアノの買取ができないようなことはあるのでしょうか?
ピアノが不要になった場合は買取をお願いすることになりますが、不安なことも多いでしょう。凹んでいたり、傷があったりしたら、尚更。古くなった年代物のピアノはどうなのでしょうか?電子ピアノと普通のピアノでは扱いも違います。今回は【買取できないピアノがあるのかどうか】についてまとめておきましょう。
古くなってしまったピアノは買取してもらえるのか?
中古のピアノですから、それなりの年数が経過しているのは当然ですし、製造時期によって買取金額に差が出てきます。その限界ですが、製造された時期から30年程度までならば、査定金額が付く場合が多いです。 30年よりも古くなると、買取が断られる場合も多いです。これも一般的な話ですし、そのピアノのコンディションによっても違います。まずは、あきらめないで査定を依頼してみるといいでしょう。買取はできない場合でも引き取りだけは受けて売れるピアノ買取業者もあります。そのピアノの状態によって引き取りの運送料金が違いますので見積もりを依頼しましょう。
故障・傷があるピアノは買取してもらえるのか?
普通の生活をしていて出来てしまう擦り傷は、一般的に査定金額に影響することはありません。音がずれているとか鍵盤の一部分が上がらないなどの軽いトラブルの場合は査定金額への影響も小さいです。特に心配することなく査定を依頼してもいいでしょう。 けれども塗装が大きく剥がれているとか大きな凹みや傷がある場合は査定金額に大きく影響があります。最悪の場合は買取金額が付かないこともあるでしょう。水害・火災・虫害でピアノの内部までダメージがある場合も査定に影響があります。そんなトラブルがあるならば、事前に申告しておくようにしてください。
電子ピアノは買取してもらえるのか?
買取をしてくれる会社は少ないですが、売却することは不可能ではありません。しかし、グランドピアノやアップライトピアノのアコースティック系とは取扱が違います。電子楽器ですから、まずは取扱説明書の有無が注目されます。
また、性能がどんどん向上します。古いモデルは買取できない場合が多いです。目安としては、製造から5年程度でしょう。人気の機種の場合は意外と高値が付くこともあります。
ピアノの種類と特徴
ピアノは大きくわけて、アコースティックピアノと電子ピアノに区分されますが、一般的に思い浮かぶのは、グランドピアノやアップライトピアノでしょう。これらはアコースティックピアノに分類されます。現在の形に定着したのは、19世紀の前半のころです。今回は【ピアノの種類と特徴】をご紹介しています。
アコースティックピアノ
押された鍵盤がピアノの内部のハンマーを動かして音がでるタイプがアコースティックピアノです。定番のグランドピアノと縦型になっているアップライトピアノ・コンソールピアノ・スピネットピアノがあります。
1番目は「グランドピアノ」です。
響板が水平方向に広がっており、演奏会でも目にするタイプがこれ。地面と水平に弦と弦を張ります。弦はプレイヤーの正面に貼られますから、どうしても大型の楽器になってしまいます。
その奥行きはモデルによって違いますが、1.7メートルから3メートルと違います。奥行きが大きくなればなるほど、弦が長くなります。振動も良いので響きも良くなって表現力が高いです。音を良くするにはピアノだけでなく設置する部屋によっても違います。天井が高くて広い部屋だと共鳴も十分です。大きな部屋に設置するのが美しい響きを得られるのです。
音楽ホールなどで演奏会をする場合は大型のグランドピアノになり、学校や小規模なホールの場合は小型のグランドピアノになっています。大広間がある個人の自宅でも、普通は小型のピアノでしょう。
2番目は「アップライトピアノ」です。
日本では住宅事情もあるので、このタイプが一番普及しています。高さは120センチから130センチほど。フレーム・弦・響板が床と垂直に配置されているのが特徴となっています。グランドピアノよりはアップライトピアノの方が設置場所のスペースが少なくてすみます。家庭や狭い教室でも小スペースですから設置できるわけです。
縦型の構造なので、弦を叩くハンマーはネジの力で元の位置に戻りますから、グランドピアノよりも連打性は明らかに劣ります。
3番目は「コンソールピアノ」です。
こちらもアップライトと同じで縦型です。高さは110センチ程度ですから、とてもコンパクトです。どちらかたいうとインテリア面を重要視されています。デザイン性に凝ったデザインのピアノが多いです。
4番目は「スピネットピアノ」です。
こちらのピアノも縦型で、コンソールよりも、さらに小型のものが多いです。現在ではほとんど製造されていません。アンティーク楽器としてオークションなどでときどき取り引きされている程度になります。
電子ピアノ
鍵盤を押すと電子音源のスイッチが入ってスピーカーから音がでるメカニズムです。アコースティックピアノのようなタッチや、ペダルによってのデリケートな発音や響きの違いを追究されてきました。近頃では、アコースティックピアノのような繊細な表現も可能なレベルです。
軽量で省スペースですから、ピアノの設置場所がない家庭でも設置できるので人気です。ヘッドフォンを利用できますから、ご近所の音の問題もなくなります。アコースティックピアノよりも価格は激安になります。物理的にも経済的にもアコースティックピアノよりは、ハードルが低いです。しかし、鍵盤の打感はグランドピアノやアップライトピアノのように完璧ではありません。そのあたりを考慮して購入しましょう。
ピアノの構造はどのようになっているの?
弦
現在の一般的なピアノは88の音が出せるような構造になっており、1つの音に対する弦の数は最低音域では1本になっています。低音域では2本・中音域はで3本が普通です。弦のトータルはなんと200本以上にもなるのです。
特殊な鋼線でミュージックワイヤーと呼ばれます。低音域では質量を増やす必要がありますから、銅線を巻き付けています。1本当たりの張力は70キログラムから80キログラムですから、ピアノに貼っている全ての弦の張力は20トンにもなります。
ピアノが今のように音量を出せるようになったのは、ミュージックワイヤーと金属のフレームが使用されるようになったからです。この金属のフレームと木製のケース・足・弦・アクション機能などによってピアノの重さは他の楽器と比べてとても重いです。アップライトピアノの場合は150キログラムから250キログラム・グランドピアノの場合は250キログラム以上にもなります。コンサート用のグランドピアノならば500キログラムをオーバーします。
鍵盤・ハンマーアクション
ピアノの鍵盤を叩くと、連動しているパーツが力を伝えてハンマーが弦を叩いて振動させますが、この仕組みを「アクション」と呼ばれています。1つの音を出すために、70から80のパーツが必要です。アクションは木・羊毛・布・金属などのパーツから出来ています。湿度や温度などからも影響を受けやすいです。細かい調整によってバランスを保つようになっています。
演奏するとしないに関係なく消耗したり調整が乱れたりします。同じアコーステック系のグランドピアノとアップライトピアノでも違いがあります。水平に張られている弦を下から叩くグランドピアノと垂直に張られた弦を前後運動で叩くメカニズムの縦型のアップライトはアクションの機構も違います。
グランドピアノの場合はハンマーの水平運動で音がでます。ハンマーの自重がありますから、スピーディーに戻ります。だから素早い連打があってもついてきてくれます。プロフェッショナルな高度な演奏テクニックや表現力も応えてくれるわけです。
鍵盤は木で出来ていますが、従来、白鍵部分は象牙を貼っていたり、黒鍵部分には黒檀を貼っていたりしました。しかし、現在では合成樹脂、人工象牙・人工黒檀を使うことが一般的です。
ペダル
2本か3本のペダルがピアノにはあります。
一番右のペダルは「ダンパーペダル」と呼ばれています。
踏むとダンパーが離れて音が伸び、ペダルを離すとダンバーが戻り、音が止まります。踏み込みを半分にすると音の反響をコントロールできるわけです。
一番左のペダルは「ソフトペダル」または「シフトペダル」と呼ばれています。
鍵盤とアクションが少し右側にスライドします。弦を叩いている普段の位置から少しずれます。ハンマーフェルトの柔らかい部分で打弦しますから少し音色が変わります。アップライトピアノの場合は、ハンマーと弦の距離が短くなりますから、少し音量が弱くなる特徴があります。
中央にあるペダルは、グランドピアノの場合は「ソステヌートペダル」と呼ばれます。特定の音を弾いた直後にソステヌートペダルを踏むと、その音だけを限定に伸ばすことができます。右側のダンパーペダルを使った場合にハーモニーが濁ってしまう場合があります。その時には、このペダルを使います。また、音域の離れたところの1音だけ残しておきたい場合も、ソステヌートペダルを使う場合があります。
アップライトピアノの場合は「弱音ペダル」とも呼ばれます。夜間練習をする場合に踏むことが多いです。弦とハンマーの間にフェルトを挟むことで音を弱くする機能があります。踏み込んだペダルを左右どちらかにずらせばロックされます。ずっと踏みっぱなしの状態を維持するようになっているのです。
ペダルの使い方はこのようになっていますのでご理解いただけたでしょう。